社会人になってからこれまで、引っ越しを6回経験してきました。
最初は世の中を分かっていなかったので(笑)、不動産屋さんに行って、担当者に言われたとおりに契約してきていました。
しかし、何回も契約や物件探しをしていると、下記のような疑問が出てきます。
- この前の引っ越しではこの費用は発生しなかったのに、なんで今回は発生するのか?
- なんで、この物件は礼金0円でOKなのか?
- フリーレントつけるなんて、借主が出てこなくて相当困っているのかな?
そこで、賃貸物件を安く借りる方法を調べた結果、下記内容を念頭に置いて担当者と交渉するということを学びました。
- 管理会社に交渉して減額できる可能性があるのは礼金、家賃
- 仲介会社に支払う手数料などの諸費用は見積を取ることで下げさせることができる(仲介手数料の上限額は決まっています)
- 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(以下、ガイドラインと記載)を熟読して契約時にも交渉する
この内容で本当に部屋をお得に借りることができるのか、実践して確かめてみました。
※実際の数字などは若干修正しています
部屋探し時に取り組んだこと
家賃は交渉で下げられる前提で考えて、予算より家賃を高めに設定して3カ月くらいかけてじっくりと検索しました。
すると、当初よりも家賃を下げて募集している物件があることに気づきました。
良い物件だったのですぐに、不動産屋さんに連絡し内見をすることにしました。
内見から条件交渉開始
実際に見に行った物件の初期的な条件は下記の通りでした。
- 築50年
- 2LDK
- 家賃16万円(共益費込み)
- 敷金1カ月
- 礼金なし
- 仲介手数料無料
- 2年間の定期借家契約(更新は可能だが、建物の状況によって再建築する方針になった場合は更新負荷)
これまで家賃は20万円だったのですが、16万円に下げて募集されるようになりました。これでも予算をちょっとオーバーしていましたが、賃料を下げて募集しているので交渉の余地があるかもしれないと考えて内見に行きました。
実際に見に行くとリノベーションされていて内装はきれいだったのですが、下記が気になりました。
- 目の前の道が人がギリギリすれ違えるくらいの狭さ
- エアコンが全室設置されていない
- ベランダに電柱から伸びている電線が侵入していて、そのままでは洗濯物を干せない
そこで、家賃14万円なら住めると考えて
家賃を13万円にしてもらえるなら契約します
と仲介会社担当者に伝えました。ここから交渉開始です。
※本当は家賃14万円が希望なので、少し低めに打診しました。
当日は日曜日で管理会社がお休みだったので月曜日に交渉することを約束して、内見は終了しました。
※申し込みをして審査が通った後でないと交渉できないと言われたので先に申し込みを入れました。なお、仲介手数料が0円だったので、仲介会社の選定は今回は行いませんでした。
交渉時の具体的なやりとり
月曜日に担当者から電話がかかってきました。
貸主に交渉してみましたが、家賃を下げるのは難しいそうです。
分かりました。エアコンを用意しなければいけないので初期費用が通常よりかかるので今回は見送ります。
今回はご縁がなかったんだなと思っていたところに、担当者から着信が・・
さすがに家賃13万円は受け入れられないですが、フリーレントを1カ月つけて、家賃は据え置き16万円でどうかと言われています。
やはり、貸主は早く貸したいと思っているようです。少し強気に押しても大丈夫そうなので、こちらの希望を通してみようと思いました。
そうですか。その案は受け入れられませんが、家賃14万円でどうかと提案してもらえますか。
うーん、さすがにそれは厳しい気がしますが分かりました。
ドキドキしながら担当者からの連絡を待ちます。
フリーレント2カ月でどうかと言われました。
やはり、貸主は家賃をあげさせたくないようです。こちらとしては、定期借家とはいえ再契約できるので、家賃を下げたいと思っていました。
うーん、厳しいですね。
そうですよね。これも断られたらということで、フリーレント無しで家賃15万円でどうかと言われています。
この提案には違和感があったので、電卓で計算したところ
家賃16万円、フリーレント2カ月の場合に2年間で払う家賃は、16×22カ月=352万円
家賃15万円の場合に2年間で支払う家賃は、15×24=360万円
譲歩しているように見えて、実は譲歩していないじゃないか!(笑)
計算したら譲歩になっていないですね(笑)もう、家賃14万円で決着させましょうよ。
この結果、家賃14万円で交渉成立しました。
契約書の内容確認
すぐに契約書を依頼したところ、出てきたのは貸主に有利な内容ばかりのものでした。
そのため、ここでも交渉することにしました。私から指摘した点は下記です。
特に③の部分は不動産会社に勤めている知人に確認したところ、あり得ない内容ということでした。
ここで、賃料交渉で値引いた分を他のところで取り返そうとしてきていると感じました。
結果、貸主からは②、③、⑤は受け入れられたのですが①と④は再度交渉が必要となったので下記を再度投げ返しました。
- 鍵は交換しなくても良い(最後に鍵を交換したのはいつか聞いたところ、不明という回答であり不信感あり)
- 再建築を前提とした退去の場合は退去時のクリーニング費用を不要にするように提案
- 退去時のハウスクリーニング代が契約書に添付されていた標準価格よりも高い設定だったので、標準価格に落とすように提案
この内容を投げ返してからレスが来なくなりました。
私としては、このやり取りをしてもなおハウスクリーニング費用は変更しないと言われたら受け入れようと思っていました。エアコンを発注し、引っ越し業者への依頼やライフラインの手配など引っ越し準備はほぼ完了させていたので、早く契約をしたかったというのが本音です。
そんなことを思いつつ、担当者から
お電話しても大丈夫ですか?
と連絡が来ました。
嫌な予感がしましたが、電話が来たので出ました。
貸主が契約を白紙に戻したいと言っています。
もう現在の住所に退去の届け出も出しているし、引っ越しの準備がほぼ整っている状況なので困ります。何があったんですか?
交渉がいつまでも続いていく気がして、信頼関係が築けないと判断されたと聞いています。
愕然としました。多忙な合間を縫って色々と交渉してきたのに、全て水の泡となってしまいました。
この後、何度か担当者に交渉をしてもらいましたが結論は覆ることはなかったです。
その後
住んでいたところには退去取り消しの交渉して、何とか今のまま住めるようになりました。住めることが確定できていない間は生きた心地がしなかったです。
引っ越すことを前提とした場合、妻が産後に退院してすぐに退去しなければいけないタイミングで、仮に引っ越し先が見つからなかったら赤子を連れて路頭に迷うかもしれないと想像しただけでゾッとしました。
今回の件を不動産屋の知人に話したところ、「契約しなくて正解。定期借家契約で無条件に違約金を請求する文言を入れてくる人なんて聞いたことない。そんな貸主は退去時に絶対トラブルになっていた」と言われました。
しっかりと交渉することで貸主の性格も見抜けることが分かり、良い勉強になりました。
まとめ
良心的な不動産業者もいる一方で、隙あらばぼったくろうとしてくる業者もいると勉強になりました。
今回の件では、不動産仲介会社の方は私の要望に対して真摯に対応していただいていたように思います。管理会社、貸主はぼったくろうとしてきていたように思います。
今回の事例が、皆さんが不動産業者と交渉するうえで参考となれば嬉しいです。