新卒で入社した製薬会社でMRをしていた当時、年功序列色の強い会社だったので上司や同僚に自分の将来の姿を重ねていました。
新卒で入社した時にはこういう風になるのかな、とあまり深く考えずに新しい仕事を覚えるのに一生懸命でした。
ただ、ある程度こなれてきた時にふと周りを見て、「自分は将来こうなりたいのか」と自問自答して悶々とする日々が流れていました。
先輩方の話を聞くたびに自分の中で違和感が強くなっていき、外の世界を見たいと思うようになり転職活動を始めました。
次にどんな仕事に就きたいかも決まっておらず漠然とした不安から、転職活動は長期戦になっていたように思います。
紆余曲折ありながらも、結果としてはコンサルティング会社に転職しました。
節目節目でどんなことを考えて意思決定していったのかをまとめました。
下記のような方の参考になれば嬉しいです。
- 転職を考えているんだけれどなかなか行動に移せていない
- どういう業界に就職するのが自分にとって良いのか分からない
- 今の仕事は自分に向いているとは思えないけれど、他にやりたい仕事もない
転職サイトで求人を見る
私は就活をそんなに真面目にやってこなかったので、知っている業界は片手で数えられるくらいしか知りませんでした。
大手求人サイトに登録して、どんな仕事が世の中にあるのか社会勉強をする感覚で色々と見ていました。
下記に登録していた大手求人サイトを紹介します。
リクナビNEXT
求人数は本当に多いです。
就職ランキング上位を常連で取っている会社の中途採用求人がたくさんあります。
私は、諸事情あって夏採用から本格的に就職活動を始めたので、当時残っている会社の中でどうしても行きたい会社はありませんでした。
結果的に、応募できる会社の中では一番行きたかったところに行けたのですが上記のようなランキング上位の会社と比べると、やはり現職は見劣りするなと思っていました。
type
ここも求人数が多かったので見ていました。
意外とリクナビと被らない求人が多くて、見ていて勉強になりました。
転職サイトで求人を見た後にしたこと
自分の会社よりも良いところもありましたが、自社よりも魅力的に映らなかった会社の方が多かったため、特に何か行動に移すことはありませんでした。
製薬会社のMRは世間一般と比較すると待遇が良く、難関と思われる業界大手以外の求人はだいたい年収ダウンになる求人ばかりでした。
この時点では、現状に満足できたということです。
営業で良い成績を出しても何も変わらない状況に落胆
ひょんなことから営業で支店トップの成績を取ることができました。
年功序列の会社とはいえ、賞与は営業成績によって大きく変わると聞いていたのですが蓋を開けたら並みの成績だった前年と同じでした。
自分が給料を上げるにはただ時の経過を待つしかないと悟った時に自分の中で転職活動のストッパーが外れました。
今の自分がどんなところに応募できるのか確認
ここから大手の転職エージェントと面談して、自分がどんなところに応募できるのか聞いてみました。
反応は様々でしたが、基本的には同業の製薬会社の求人を紹介されることが多かったです。
他の製薬会社の方が待遇が良いというのは、何となく知っていたので魅力的に映りました。
自分の担当エリアのMRで同業他社へ転職したという人が何人もいたので、話を聞いてみましたが、「製品や領域が変わるだけでやることは結局同じ」と皆さん口を揃えて言っていました。
MRという仕事は必要不可欠ではあるものの、こんなに人数を配置する必要は無くなってくるなと常々感じていたので、このままMRとしてキャリアを積んでいくことは果たして良いことなのか悩みました。
ここで初めて待遇以外の軸が出てきた気がします。
面白そうな会社に応募
社会人経験も浅く、医療業界に所属していたこともあり他の業界とは隔絶された世界に生きていたので、色々な仕事を見るつもりで様々な企業に応募しました。
ビール会社、総合商社、ヘッドハンティング会社、M&A仲介会社
今思えば、ここでM&A仲介会社を受けていましたね(笑)
当時は面接を受けながらも「これが本当に自分のしたいことなのだろうか」と思っていました。
そんなことを思いながら面接を受けていたので、良い結果になるはずもなく時が流れていきました。
東京に転勤
最初の配属が関西だったのでこれまで関西で働いていました。
当時は関西には知り合いが少なくて、時々東京の友達が出張で関西に来る時に遊ぶのが唯一の楽しみといった感じでした。
そのため、東京に帰りたい気持ちが強くて初めて異動願いを出す権利を得られた時に東京への異動願いを出していました。
一方で、段々と関西でも友達ができてきて居心地がよくなってきたタイミングで東京へ転勤する辞令が出ました。
せっかく関西に馴染めてきていただけに、転勤は少し残念な気持ちがありました。
どうやら、東京から関西に帰りたいという人がちょうどいたので交換人事となったようです。
その人はだいぶ先輩で、大きな病院ばかり担当していた人でした。
支店長や当時の役員からも期待されていると言われて迎え入れられたこともあり、現職へのモチベーションが少し回復しました。
東京に住むということで転職活動はしやすくなったはずなのですが、いったん転職活動はお休みすることにしました。
関西では開業医担当、東京では病院担当ということで仕事内容が変わるので新たなやりがいが見出せるのではないかと期待していました。
転職活動再開
しかし、若干やることは変わるにしても本質的にはこれまでやっていた業務と同じでした。
やはり、MRはこんなに人数必要ないので淘汰されていくだろう。この仕事を一生の仕事にしていくにはリスクが高いし、やりがいも得られなさそうだ。
こんなことを日々考えていた時に、転職エージェントから大手総合コンサルティング会社の面接お誘いがありました。
医療業界専門でコンサルティングができるという話だったので、今の仕事とも親和性がある気がしたので応募することにしました。
面接対策を進めていく中で、コンサルティング会社なら下記を満たせるのではないかと考えるようになりました。
- 様々な業種に触れることができるので、自分の知見が広がって本当にやりたいことが見極められるようになるかもしれない
- やりたいことが見つけられた時に、転職できるだけの経験を積むことができる
- コンサルティング会社なら給料ダウンになる可能性は少ない
結果的にこのコンサルティング会社は最終面接で落ちてしまいました。
ただ、この面接をきっかけに自分が行きたい業界が定まりました。
コンサル業界に強いエージェントと悪戦苦闘
コンサルティング会社に転職するにはどうしたら良いのか色々調べたところ、それなりにハードルが高いこと、コンサル業界専門のエージェントに支援してもらうのが一番良いと考えました。
下記は「M&A仲介会社に強い」と銘打っていますがコンサルティング業界にも強いエージェントと聞いていますのでご参考まで。
ここで自分の考えを分かりやすくまとめるのに苦労しました。
MRの仕事は自分で考えて物事を伝えるのではなく、薬の作用機序や代謝のされ方などすでにある事実を分かりやすく伝えるような頭の使い方ばかりしていました。
キャリアコンサルタントの方から、これでもかというくらいダメ出しを食らいまして「自分はコンサル会社には向いていなんじゃないか・・」と思うことも何度もありました。
そんな状況だったので、応募したコンサルティング会社ではことごとく落ちていきました。
そんな中で、「ここは就職したら力が付きますよ。ここから投資会社とかに転職したりしますからね」と勧められた会社がありました。
オファー獲得
面接を受けると、これまで苦労したのがウソのようにどんどん選考が進んでいきオファーを獲得することができました。
キャリアコンサルタントとのやり取りを通して、自分の力をまとめて話す力がついたので面接を通ることができるようになっていたのではないかと思います。
入社後に、コンサルタントとして求められる水準には到底足りないことを思い知らされましたがそれはまたの機会にまとめます。
まとめ
この記事でお伝えしたかったのは下記の通りです。
- 求人を眺めるだけでも立派な転職活動
- 転職エージェントと話をするだけでも新たな気づきがある
- 行きたい業界が定まっていなくても転職活動を通して定まってくる
- 自分の考えを分かりやすく伝えるといったビジネススキルも身に着く
20代中盤の人たちは皆さん当時の私と同じような悩みを抱えているような気がします。
この記事が皆さんの行動を少しでも後押しできたら嬉しいです。