「今の仕事に不安や不満があり、できれば転職したいけれど何をすれば良いか分からないから何も始められない」
1回目の転職をする前、MR(製薬会社の営業)をしながら私は1年くらい悶々とした日々を過ごしていたように思います。
- 自分は今の仕事を続けていて幸せな人生を送れるのだろうか
- 今の仕事で得られるスキルで、老後まで食いっぱぐれずに手に職をつけられるのか
- 自社の先輩・上司が将来の自分の姿だと考えた時に、こうなりたいと心から思えるだろうか
毎日、こんなことを考えていたように思います。そんなある時、毎日朝早くから遅くまで頑張って働いてきたこともあり、支店でトップクラスの営業成績を出したことがありました。ボーナスに営業成績が反映されると聞いていたので楽しみに結果を待っていましたが、蓋を開けてみると昨年よりも数万円上乗せされた程度・・。
「そうだ、転職活動をしよう」
MRを続けるのか、それとも別の業界に飛び込むのかも定まっていない状態で転職活動を始め、紆余曲折ありながらも無事に転職することができました。
結果的に転職を3回している今、振り返って考えると「うだうだ考えずに行動しながら考えれば良かった」と思っています。
前置きが長くなりましたが、転職活動を始めようとするときにまずすることは「転職エージェントに連絡して、キャリアコンサルタント3人に会う」です。
なぜ、転職活動の第一歩が「キャリアコンサルタントに会う」なのか
簡潔にお伝えすると、「最新の転職市場に精通しているプロにアドバイスをもらえるから」です。これが満たされれば、友人に話を聞いてもらうでも良いのですが、気心知れている中で転職の相談をするのは恥ずかしい、といったこともあるかと思いますので転職エージェントに会うことを推奨しています。以下、もう少しかみ砕いて解説します。
自分の希望と転職市場のニーズのずれを発見できる
今よりもホワイトな環境で、年収が上がって、やりがいがあって毎日が充実する会社に転職したい。欲張りな私は、そう思っていましたがそんな求人はありませんでした。仮にあったとしても希少かつ高倍率なので行ける確率は低いです。(チャレンジは推奨します)
これに気づけるだけでも、大きいと思います。現職の方が良いと思えば、転職しなければ良いだけですし、良い求人が出てくるまで待つということもできます。
現職がすぐにでも辞めるべきブラック企業だったとしても、キャリアコンサルタントに会わなければそれに気づけなかったということもあるでしょう。
自分の転職に対する考えがブラッシュアップされる
一人で考えているよりも、キャリアコンサルタントに壁打ちしてもらうことで、転職理由などが明確になっていきます。実際、私も漠然とした将来的な不安と待遇に対する不満からなんとなく転職活動を始めていました。就きたい業種・職種も定まっていなかったので様々なやりとりを通して、自分の意向を固めていったように思います。
ここで注意が必要です。キャリアコンサルタントは相談者を転職させる方向に誘導させるというインセンティブが働いています。なぜなら、キャリアコンサルタントは求職者をクライアントに転職させることで、年収の約30%を転職先のクライアントから受け取っているため転職させないとただ働きとなってしまうためです。残念なことに、手元にある求人に相談者をはめ込もうとするキャリアコンサルタントもいます。若かりし頃の私も、はめ込まれそうになった経験があります。下記を意識することで、ポジショントークが見抜けると思います。
- キャリアコンサルタントの思惑も頭に入れて考える
- 最低3人のキャリアコンサルタントに会って、それぞれの意見を比較検討する
- 応募したとしても、違うと思えば遠慮なく選考辞退することを事前に伝える
ただ、キャリアコンサルタントも6カ月以内(正確には企業によって異なりますが目安の期間です)に転職者が退職したら返金しなければいけない仕組みになっています。優秀なキャリアコンサルタントは押し込んでもすぐ退職してしまうことが分かっているので、無理な営業はしてきません。違和感を感じたら担当交代してもらうか、他の転職エージェントを活用するようにすれば良いと思います
各種提出書類作成を指導してもらえる
転職活動をしていると、履歴書、職務経歴書、自己PR書など様々な書類の提出を求められます。ネットで検索すれば書式が落ちていて、それに沿って書けば形にすることはできるとは思いますが、書類選考を通過できるか不安が残ると思います。
私の場合、特に職務経歴書を何度も見てもらってブラッシュアップしました。書類が作れるようになれると、自然と面接でも論理的に話すことができるようになると思います。
なぜ3人のキャリアコンサルタントと会うのか
ここでは、転職エージェント3社それぞれのキャリアコンサルタントと会う前提で解説いたします。
保有している求人が異なるため
会社によって、お付き合いのあるクライアントは異なりますので当然保有している求人は異なります。出会う求人が多ければ選択肢が広がっていきます。また、転職市場についても、各社それぞれの見解などがあると思うので比較検討することで情報の精度が上がり、精度の高い判断ができるようになると思います。
採用ニーズを詳細に把握できている企業が異なるため
キャリアエージェントが直接企業の採用担当者と懇意にしているケースもありますし、会社としてたくさん転職者を送り込んでいれば当然関係も深くなってくるはずです。採用担当者も全ての転職エージェントと深く付き合っていくのは難しいため、転職エージェントによってどういう応募者が好まれるかをより明確に把握できている企業と、そこまで入り込めていない企業があります。そうなると、この企業にはこのキャリアコンサルタントから応募した方が良い、というケースも出てくるためキャリアコンサルタントを使い分けることができます。
より良いキャリアコンサルタントにお願いできれば成功率が上がるため
世の中には色々なキャリアコンサルタントがいます。相談者のことを第一に考えて対応してくれる人もいますし、売上達成に必死で求職者をはめ込もうとする人もいます。求職者をはめ込もうとする人でも、自分が行きたい企業の採用担当者と関係が深ければ双方のニーズが合致しているので良い転職になる可能性が高まります。転職活動の目的や自分が置かれている状況によって、必要なキャリアコンサルタント像が変わってくると思いますので、複数の選択肢を常に持っておくことを推奨します。
転職エージェントに会って何を話せば良いのか
特に、これを話さなければいけないというものはないですが下記内容に沿って聞かれることが多い印象です。
転職活動を考えている経緯
キャリアコンサルタントがまず聞きたい内容です。選考ではないのでざっくばらんに話して問題ありません。むしろ、ざっくばらんに話すことで面接ではこういう風に言い換えましょうといったアドバイスをもらえますし、包み隠さず話すことで面接官からの質問対策も立てやすくなります。
これまでのキャリアと語学などのスキル
どんな求人であれば、相談者が選考を突破できる可能性があるかを探るために必要な情報です。また、相談者の希望する業種・職種がある場合、難易度を推し量ることができます。
将来なりたい姿(漠然としていてOK)
ワークライフバランスに対する考え方や、どんな働き方をしていきたいのかを伝えることで、どんな会社の文化とマッチしそうか判断します。
おすすめの転職エージェント
特にありません。人によって必要なエージェントが違うこと、エージェントの良し悪しはキャリアコンサルタントがどこまで親身になってくれるか次第なためです。したがって、「この人と一緒に転職活動頑張ろう」と思える人と活動することが大切です。
とはいえ、巷には多くの転職エージェントがあるのでまずどこに連絡すれば良いか分からないということもあると思います。大きくは、下記の通り探していけば良いと思います。
- 行きたい業界が定まっていない人は、大手転職エージェント
- 業界に特化した転職エージェント
具体的にどんなエージェントが良いのか下記で解説しています。
最後に
私の周囲には、「転職した方が良いと思いながらもどうやったら良いか分からない」と話している方がとても多いです。そのたびに、「まずは転職エージェントに行ってキャリアコンサルタントに3人会ってみて、転職したくなればすればいいし、したくなければしなくて良い」と伝えています。
終身雇用が崩壊して、転職するのが当たり前になってきている時代。もっと皆さんが能動的に自身のキャリアについて考えてほしいと思い、今回記事にしました。この記事をきっかけに行動して人生が好転する方が現れればうれしいです。